沖縄面白本棚

日々の活字チュウ毒生活の本から これは面白い本!を紹介します。 このブログで紹介するジャンルは、ノンフィクションを中心にあまり有名ではないが、読むと面白い本です。もちろん沖縄本も紹介しますね。

2014年02月

この本は1972年5月15日に沖縄が本土復帰をした後から、現在までを地元沖縄の出版社の
編集者である著者が自らの体験談を交えながら、たまに方言も入る、沖縄復帰体験面白本である。

さて、内容に入る前に、ワン(私)の実体験も書いてみようかねぇ。(少しうちなーぐち)

ワンがナイチ(東京)に来たのが、19歳の時だった。
復帰前にナイチに来た人の話だと、パスポートが必要だったみたいだ。
まるで、海外旅行やっさ。
初めて降り立った羽田空港の広大なスケールにまず、でーじビックリしたさぁ。
さらに、初めてのモノレールに乗った時の変な気分。まるで、遊園地で乗るオモチャみたいな箱が動くことに
あっちみたり、こっちみたりで、恥ずかしけど、興味津々だった。
最初入った会社の寮が練馬にあった。そこで、またビックリしたのは、東京にも、畑がある。
ダイコンがある。(笑)
夏休みとかに沖縄に里帰りするときに、会社の先輩方からいつも、お酒とタバコのお土産を注文された?
そう、その時は、沖縄だけ、免税店が空港にあって、先輩からお金を渡されて、
いつも、帰りは手荷物いっぱいにお酒とタバコを規定数ギリギリまで持って行ったことが、
つい昨日のように思い出される。

あれ?こんな、話をするために、この本を紹介したわけではないが、まあ、おまけということで。。。

では、本を紹介。

この本の面白いところは、復帰した沖縄の雰囲気が味わえて、
さらに、地元の人が書いた、生の情報を知ることで、一回は沖縄に行ってみたい気分にさせる本である。

全体を10年ごとの4つに分けて、それぞれの年代におこったことを面白く、マジメに書いている。

①1970年代。
ドルから円への通貨交換、「ダイナハ」オープン、「海洋博」閉幕、ナナサンマル「7・30」
その中から、ナナサンマルを紹介しましょう。
この言葉は地元では有名ですが、簡単に言うと、車の走行車線がアメリカと同じ右だったものが、
左に変更した、記念すべき日が、7月30日。
前日の29日の夜10時に一般車両を通行止めにして、翌日の30日の朝6時に一斉に右から左通行に変更した。わずか8時間のプロジェクトX的な出来事。
個人的な記憶にあるのは、バスを乗るのに、反対のバス停で待っていたり、バスの運転手もまだ慣れていない時期は、狭い道でうまく操作できずに、バスがひっくり帰ったりしていたのがあった。

②1980年代。
具志堅用高敗れる、断水326日、七か月のバススト争議、西銘順治「沖縄の心」発言、日の丸・君が代問題、
「海邦国体」開催、「慰霊の日」休日。
その中から、百年に一度のヒーローと言われた、具志堅用高について書く。
今の若い人たちは、具志堅はお笑いの具志堅であって、チャンピオンのころの事は知らないだろう。
当時、沖縄では、具志堅の試合を観ないとみんなの会話に参加できないほど、すごい注目だった。
試合時間には、タクシーどころか、人が外を歩いていない、歩いているのは、マヤー(猫)だけだった。ウソです。
試合はカンムリワシのごとく凄い睨みで相手を倒して、皆は興奮した。
しかし、その後の勝利インタビューが皆楽しみであり、逆に、ウチナ~むに~(沖縄言葉)が恥ずかしい。
具志堅さんの実家の職業は?という質問に、
「お父さんは、海を歩いています。」
家の家紋は?と聞かれて、
「コンクリート(ブロック塀)です。」(笑)。あ~恥ずかしい。

③1990年代。
大田昌秀革新県政誕生、喜納昌吉紅白出場、首里城公園開園、10・21県民総決起大会、
安室奈美恵、大ブレーク、ミハマ・セブンプレックス開館、映画「ナビィーの恋」大ヒット。
その中から、映画ナビィーの恋の話。
地元では、おばぁたちに絶賛だった。
主人公、ナビイーの昔の恋人に対する恋話と、三線の音色にのって進められる沖縄芝居が
地元のおばぁたちに受けた。

④2000年代以降。
沖縄サミット開催、ドラマちゅらさんブーム、美ら海水族館オープン、ゆいレール発進、沖国大に米軍ヘリ墜落、
教科書検定撤回9・29県民大会、興南高校野球部春夏連覇、オスプレイ配備。
その中でドラマちゅらさんの話。
最終回の時、おばあ役(平良とみ)の最後の言葉が印象的。
「ちゅらさんや、恵理たちや沖縄のことを忘れないでくださいよ、みんなもチバリヨー」。

本の中では、まだまだ、沖縄の良さを紹介しています。
是非、興味ある方は読んでみてくださいね。







 http://www.borderink.com/?p=11552


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主人公、妹尾順平(せのおじゅんぺい)は、牛丼の吉野家で唐突に声をかけられた。
「テツドーをつくっていただきたいのです。」
見知らぬ、白髪の紳士、日野宮からそう言われても、なんと答えていいかわからない。

しかし、セーノは受けてしまう。
なんで作ると約束してしまったんだろう?
セーノは、2年前に祖父から全十戸のアパートを相続で譲り受け、その家賃収入で生計を立てている。
特に頑張って働かなくてもいい、その生活がダラシナイ男になっていく自分がイヤだった。
いつか変えたいと思った矢先にきた、へんな話。
心の中で、以前勤めていた広告会社時代の企画好きな性格がムラムラ出てきて、やろうと決意した。

そうなったら、話が早い。
その白髪の紳士、日野宮は400億円を出すという。
さらに、やっかいなことに、3年で新しい鉄道路線を東京のどこかに完成させてほしいという。
やり方は任せる。

早速、以前いた広告会社の仲間のリエに話をして、仲間に入ってもらい、創業2名で始まり始まり。
まあ、2名じゃなにも、できないので、
仲間が欲しい。
鉄道オタクでは行き詰ってしまうと、セーノ。
プロの意見も大事とリエ。
はたして、他に仲間に加わったのは、セーノの知り合いで体育会系のミキオ。
リエの知り合いで雑学が得意なひろみ。
そして求人広告で唯一まともな人で、元鉄道マンの徳さん。
この5名でスタートした。
5名のキャラクターがまた、面白くてどんどん、話に引き込まれて、読み進めていく。

この小説のお話しの半分くらいまでは、いろんなプランを作成していく、奮闘ぶりが面白く書かれていく。
そして、プレゼンの日。
皆頑張ったけど、しかし、通らない。

寝ないで頑張ってつくったプレゼンが通らないところがまた面白い。
だって、そこから、奇想天外なアイデアがどんどん、でてくるんだもんねぇ。

この作家の面白いところは、これまで出した本で証明している。
床下仙人という本では、新築を買った床下に仙人が住んでいるという奇妙な話とか、
他にいろんな奇妙なお話しを面白く書くことを得意としているのだ。
この東京箱庭鉄道も、後半の話はかなり面白い。
映画になってもおかしくないかもねえ。
いったいどんな箱庭鉄道なのか、読んでのお楽しみ。

鉄道大好きな人も、
そうでもないけど、オモシロ企画が好きな人も楽しめる小説です。


 
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「chikirinの日記」は月間200万PVの有名な社会派ブログ。
その日記を書いている、ちきりんはマスコミには顔を出さず、ブログに書いている文章の内容だけで
皆をひきつける。

本書の目的を著者はこう書いています。

日本社会には「社会のため全体のために、個を抑制し我慢すること」を美徳とする考えが蔓延しています。
この本では、それらの社会が押付けるガチガチの固定観念に縛られず、自由に楽しく自分らしく生きるためには、生活の様々な面でもう少し「ゆるく」、たとえばこんなふうに考えればいいのじゃないかな、と感じたことを
まとめています。

では、具体的にどういう、考え方があるか見ていきましょう。
以下四つが気になったところです。

①人生は早めに諦めよう。

えっ?、早めに諦めてどしろって言うの?と考えてしまいますよね。普通の人は。
しかし、ちきりんは、発想の仕方が違います。
外国の人達は、生まれ育った環境、親の地位、社会の制度によって、
どんなに努力しても、掴めない現実を小さな子供のころからわかっていて、
南米では、サッカー選手が唯一地位に関係なく、お金や名声を手に入れるチャンスがあるからは
頑張ってやっている現実がある。
一方、日本は大学から新卒で就職した人の多くが、新入社員があたかも横一線に並んで同じキャリアでスタートするかのような誤解をあたえているから、出世の可能性を考えてしまいガンッバってしまうという。
早く現実を見て、出世するのは無理かもと諦めて過大で過分な夢を持たないことが人生を楽しく生きるために重要だという。

②10年以上のローンはダメです。

最近、住宅ローンが50年も組めることになって、驚いている。
本当に、そんなに組んで安定して会社勤めして、ローンを払っていけるのだろうか。
住宅ローンは35年の制度を作った時は、経済も上昇時代で、給与、不動産も毎年上がっていたので、
成り立つ制度だった。
しかし、著者はこう断言する。
「ローンは10年以上は組まない、背伸びして新築とか大きな間取りにするから、長く組むんです」。
確かに、我慢してお金を貯めて、今の収入に合った物件を購入して10年位で返すことが理にかなってます。

③大半の保険は不要。

火災保険、自動車保険以外の保険が不要な理由を以下三つあげる。

(1)単身者、ディンクス夫婦、引退後で勤労収入の無い人、子供には不要。
子持ちでも、公務員や大企業勤務の人は、会社の団体保険、遺族年金で賄えるので不要。
しかし、以下の2パターンは民間保険が必要。
1.扶養家族がいる自営業者、中小企業勤務。
2.育児、介護の主担当者。

(2)必要な保険は「定期保険」だけ。

定期保険とは、掛け捨ての保険料を払って、死亡保障を一定期間つける保険。
住宅ローンを組めば、死亡した場合、ローンがなくなるので、必要生活費が減る。
遺族年金も考慮する。
医療も、よく検討すると保険料を支払った分、貯蓄すれば、賄えると著者はいいます。
まあ、そこは、個人の心配の程度があるので、なんとも言えませんが。。。。

(3)頼るべき順番は、公的保険、最低限の貯蓄、最後がネット保険。

不安にからてれ必要以上の保険に入り、毎日のお金に汲々とするのは
全くもって本末転倒。
万が一のときのために、万が九九九九の期間を犠牲にするのはやめましょう。

④楽観的であること。「よかった確認」

ちきりん家には、「よかった確認」という習慣があるらしい。
それは何かというと、どんなに絶望的に思えることでも、その中になんらかの意義を見いだし、
「よかったね」と確認すること。
道に迷った時、「ダイエットになってよかったね。」
病気をすれば、「健康のありがたさがわかってよかったね。」

皆さんも早速明日から試してみてはいかがでしょう。

この本で「ゆくる」考えて、楽しく生きるヒントをみつけることができるかもしれません。
まずは、全部を読んでみてね。

そんじゃーねー( ´_ゝ`)ノ


http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/




 
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本書の帯にはこんな文字たちが躍っていた。
「野山も海も、ぎらぎらの太陽もイナズマ嵐も、木陰のヒルネも
みんなそっくり楽しかったぜ、『週刊文春』連載23年の長寿エッセイ、堂々の完結編」。

始めた時のタイトルは「新宿赤マント」だった。
そのタイトルの由来は、新宿タイガーこと、歌舞伎町でタイガーマスクの仮面をつけてマントをなびかせ、
カセットテープでテーマ曲を流しながら自転車で新聞配達をしている謎の人が気になってつけた。
まあ、思いつきってことですね。

これまでシーナ本は沢山読んできた。
なぜ、ぼくはシーナマコトが好きなのか、考えてみると
男である自分がこんなかっこいい兄貴が居たら本当に嬉しいだろうなあという男が
『椎名誠』なのかもしれない。
だから、シーナマコトの書く本は常に気になる。

もっと、いろいろ思いは書き足りないところであるが、まあ、本書の面白いところを紹介することにしよう。

まず、「恒例、粗大ごみ合宿」。
毎年暮れに恒例になっているオヤジ合宿。
福島の勿来(なこそ)海岸近くの宿に飲み仲間遊び仲間十五、六名が集まり、別に目的がない
合宿を行っている。今回のこの本で一番笑ったところがここ。
合宿二日目に第二陣が大勢近くの駅に来るので、皆で迎えに行くのだが、このお迎えのしきたりが面白い。
電車から降りてくる一人が大柄で革コートなど羽織っているとどこからみても「その筋」の人に見えるので、
シーナ一行は彼が降りてくると駅舎内に整列して腰を直角に曲げて「お勤めごくろうさまでした。」と大声で言うことにしている。みんなが待っているときに地元のおばさんは「あんたらはどこからきなすったね?」などという
質問をしてきた。黒ずくめノトレーニングウエアにレバノンのサングラスなんてのもいるのが、バカ派手なチャンチャンコにゴム長の西沢がどうやらリーダーとすぐわかるらしい。
「十五年ぶりにいわゆるシャバにでてくる人を迎えにきているんです」とそのおばさんにウソをつく。
「へえ。何やったヒトなんですか?」
「あの、えと、詐欺です。経済サギ」
確かにサギで十五年は長いとすぐわかるのだが、でも、おばさんは信用してしまった。
まわりの人もだんだん集まってきて、さあ駅に電車が到着し、十人が横並びになって、
「ごくろんさまです。」
本当に悪ふざけを大勢のおやじがやるから、これ現場で見てみたいねえ。

次に、「四つの国のお正月」。
シーナの本で多いのが旅の話。温かくていい話が多い。
今回はモンゴルの正月のお話し。
モンゴルでも正月にお年玉に近い行事があるらしい。
しかし、日本と大きく違うのは、子供が大人にお金を渡すこと。
一族の一番小さな子から順番に感謝の言葉をいいながら、一族の長老夫婦になにがしかのお金の入った
袋を差し出す。年齢の順に全員同じように長老夫婦にお祝いこ挨拶をし、お年玉を渡していく。
長老のお陰で一族が繁栄したことを感謝して行う、いい習慣だ。

さらに、「ありえねぇ・・・・だろうか」。
シーナはSFが大好きで、自分でも書いている。そこで、このエッセイでもSFでこんなことができたら面白いというアイデアを書いているのだ。
今回は未来の携帯の姿。
携帯で一番困るのが忘れてしまうことだ。そこで、忘れないためには、身体に埋めえ込んでしまえばいい。
すごい発想だが夢の話でもないような気がする。
耳の後ろに小さなチップになった携帯を埋め込んで、会話する。
しかし問題がある。データ更新とか入れ替えときにいちいち取り出すのが大変。
そこで、ピアスにして簡易にできるという。う~む。なかなか面白いではないか。

最後に、「旅する文学館のはじまり」。
ぼくも時々このHPに訪れるのだが、椎名本の全てを残そうと、過去の本とか映画の話がある。
その中で一番おもしろいのは、シーナ本人が自作の事を語るところがあって、過去の本なので、
どうやって書いたのか、忘れていることを必死に思いだいながら対談しているのが面白い。
なんと、今現在書いてきたオリジナル本の数は、223冊。すごい数だ。
もちろん、文庫本とかになっている本も多いので、実際に世の中にでた本はもっと多いことになる。

http://www.shiina-tabi-bungakukan.com/bungakukan/


シーナ本でいつも気になる内容が、本の紹介であろう。
シーナは書評雑誌『本の雑誌』の創刊時編集長であったことでも有名であるが、
勧める本も、その人柄がでているし、すごく面白い本ばかりだ。
以下、書名のみ書く。

「たった二人の大西洋」ベン・カーリン著
「水危機、ほんとうの話」沖 大幹著
「江戸の町は骨だらけ」鈴木理生著
「アマゾン河ー密林文化のなかの七年間」神田錬蔵著
「オルタード・カーボン」リチャード・モーガン著
「風の風物誌」ライアル・ワトソン著

シーナ本でさらに気になるのが、映画の紹介ではないだろうか。
本人自らも映画を作った経験もあるため、楽しい映画を本で紹介してくれている。
以下、映画名を記す。

スピルバーグ「戦火の馬」
シーナ本映画化
「息子」山田洋次監督
「中国の鳥人」
「怖がる人々」

本書の一番最後に、あとがきで、この言葉を書いて締めくくっている。
「ぼくにとってこの連載が、ぼくの激動のモノカキ人生を伴走してくれたように思う。
そうして書いたものはこういう単行本になって残してくれる。まことに有り難いことであります。」

まだまだ、面白いところは沢山書いてあるが、今回はここまで。
この本は全国のシーナファン、そして新宿赤マントファンにおススメする本です。


 
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