前回のブログに書いた、「本音の沖縄問題」で書いた、軍用地料の金額の根拠が気になって、
本書をアマゾンでポチった。
そこで、偶然の出会いがあった。

このブログでも紹介した、「那覇の市場で古本屋」のウララさんがアマゾンで、本書を販売していた。
早速、一緒に入っていた「沖縄古本屋MAP」に感動して感謝のメールを送ったら、
丁寧な返事が返ってきた。
よい古本屋は、このヘンなオヤジに対しても優しい対応が出来るのが素晴らしいと感動する。

さて、本書であるが、
最初の目的である、金額の根拠はすぐに分かった。
今回分かったことは、米軍から返還されることが困難な基地ほど倍率(地価/地代)は高くなっている。
例えば、航空自衛隊那覇基地35倍、陸上自衛隊那覇基地33~35倍、嘉手納飛行場34.5倍、
嘉手納弾薬庫25倍~30倍、キャンプ・キンザ―29~32倍、
移設が決まった普天間飛行場は25倍、

さらに本書には興味深い軍用地主の一代記が時代の流れで記している。
①戦後初期の14年間(1945~1959年)は地主の受難時代であった。
基地なってしまった土地。家も屋敷もなく農業もできない。どうにか生きていた。

②1959年に地料が経済的な水準(あるいはそれ以上)に引き上げられたことで、
状況は変わった。人並みの生活ができつつあったところに、プラス・アルファとして軍用地料が
入るようになった。
その時に土地を取られた人(借地料が入る)と取られなかった人に分けられる。

③1972年に本土復帰して地料は大幅に上がったし、かつ上がり続けている。
そこで、普通の人と軍用地主との経済的な格差が生じた。
その内容は前回記した。
1995年に少女暴行事件に抗議する沖縄県民大会で「基地の返還につながっては困る」として
唯一不参加を表明した団体が土地連(軍用地等地主会連合会)である。

その他本書には、アメリカ軍用地の面積とは、それに伴う軍用地料の記しているが、
他にも各種の基地交付金、自治体財政の基地依存度、基地関連業者、
基地従業員の問題などがあるし、基地撤去後の跡地利用問題もある。
その点は今後の問題として残る課題である。

この本でさらに読みたくなった本を下記して終わりにする。

・「日米安保解消への道」都留重人著
・「基地はなぜ沖縄に集中しているのか」NHK出版
・「米軍基地の歴史」林 博史著