沖縄面白本棚

日々の活字チュウ毒生活の本から これは面白い本!を紹介します。 このブログで紹介するジャンルは、ノンフィクションを中心にあまり有名ではないが、読むと面白い本です。もちろん沖縄本も紹介しますね。

2016年01月

最近は本を選定して読む理由は何でもよくなってきた。

なぜかというと、いつも何か手元に本が無いと落ち着いていられない。
特に電車の中は「スマホ族」が多い中、意地でも「面白い本」を私は
読んでいるんだぞ!と誰かに訴えたい気分で面白本を読んでいる。

さて、本書は脳科学者で有名な茂木先生の本なので
読みたかった本という人もいると思うので、あまり細かい内容は読む楽しみに
とっておくとしてして、
皆さんが本書を読む前提で自分が気になった所を簡単に紹介しよう。

気になった点は3つある。(最近このパターン多いなあ)

一点目は、本にカバーをかけるのは日本人だけ。

そうです。
この指摘は納得した。
なんで自分が読んでいる本を隠すんだろうと疑問になっている。
さきほども書いたが、電車ではスマホ族だらけなので、本を読んでいるって
結構目立つんだよね。
だから絶対にカバーはかけない!
それは、その本の著者に申し訳ないのだ。
せっかく宣伝できるのに、隠す必要はない。
もちろん、本を汚したくないという方もいるかと思うが。

二点目は、何がやりたい?ひたすら本が読みたい!

私の大好きな雑誌である「本の雑誌」の事が書いてある。
椎名誠さんがいた専門雑誌のストアーズ社の面接に目黒さんが
来た時に面接対応していた椎名さんとの質疑が面白い。

椎名:君はこの会社で何をやりたいんだ?
目黒:ただひたすら本が読みたいです。

え?
面接でこういう風に答えたら普通は即落ちるでしょう。
しかし、椎名誠はなんとなく面白いやつだと感じて合格にした。
そして、仲間うちで同人誌のように目黒がこんな面白い本があると
無料で皆に配っていたら、段々口コミで広まってコピー代がバカにならないので
有料にして販売したのが、「本の雑誌」の始まりだったという。
目黒考二が面接で面白い答えをしなかったら、今頃「本の雑誌」はなかったのだろう。

三点目は、複数の本を同時進行で。

これは私も実践しているが、
この本でも提案しているので、脳科学的にもいいんだと納得した。
この本での同時進行は同じような内容を違う著者で読むというパターンの事を書いている。

同時進行でのメリットとして。
一人の著者が主張している内容が果たして本当のことかは分からない。
そこで、違う視点で書いている色んな本を同時に読むことで、読んでいる自分の
判断力が磨けるし、答えはひとつではないということが分かる。

私は違う方法で同時進行している。
違うタイプの本を通勤で読んで、なるべく飽きないようにしている。
例えば、長い時間乗れる電車の時は、単行本でじっくり読んで、乗り換えの待ち時間とか
バスとか読む時間が短い時は、キンドルでマンガとかエッセイとかを読んでいる。
その時の読める時間で読む本を替えている。
これも気分転換の一方法かと思う。

最後に、新しく読みたい本を見つける時のキーワードは「そうなんだ!」。

人間の脳が新しい興味を持つきっかけは、「自分の信頼する人物が楽しそうに語る話」であることが
多いそうだ。
だから、私も自分の知らないジャンルの本を読んでいる仲間、友人は今後も大切にしたいと実感する
本書の内容であった。


【内容情報】(出版社より)
脳は「言葉」と向き合うときに、
一番成長する!--茂木健一郎

本の読み方ひとつで、
人は大きく変わることができるのだ。

最新テクノロジーから、文学、芸術、経済学にいたるまで、
縦横無尽の知識と鋭い知性を持った
脳科学者の「頭の中」を明らかにする、完全読書ガイド!

◎頭のいい人は、何を、どう読んでいる?
◎「話のネタ」にしたい本を選べ
◎今の自分より「ワンランク上」と「ジャンル違い」を意識する
◎1日たった10ページ!「同時進行で、複数読む」
◎「積ん読」も、確実に脳の肥やしになるーーその理由
◎今、読んでいる本が、「あなたはどういう人間か」を物語る


【目次】(「BOOK」データベースより)

1 これが“自分の頭で考える力”をつける第一歩ー本を読む人、読まない人、そこに圧倒的な差が生まれる(頭がいい人は、どう本を読み、どう活かしているのか?/メリット1 読んだ本の数だけ、高いところから世界が見える ほか)/2 こんな「教養のある人」こそが強いー仕事、人間関係、幸福…あらゆることは、読書に左右される(「優等生」ではなく、「オタク」を目指す/地頭のよさは、こうしてつくられる ほか)/3 「自分を成長させてくれる本」の見つけ方ー「上質な文章」に触れることが、何よりも脳を鍛える(文学界の教養王「夏目漱石」/まずはこれを読めージャンル別「チャンピオン」 ほか)/4 知識を吸収し、人生に活かす技法ー膨大なデータを血肉にする「7つの絶対ポイント」(絶対ポイント(脳には「雑食」がよい/「複数」を「同時進行」で ほか))/5 「一生使える財産」としての厳選10冊ー「知の宝庫」から、本当に必要なものを盗め!(複雑な時代に立ち向かうーその“姿勢”/「国家」と「自分」を理解するー自由を考える一冊『選択の自由』 ほか)




 

今、少年野球マンガで一番おもしろいのがBUNGOだ。

3巻まで読んでみて感じたのは、
主人公のBUNGOこと、石浜文吾が自分の才能に気が付いていないが
廻りが徐々に気が付いてきて、物語は進んでいく。
あまり細かいことは書けないので、
ここで、登場人物を紹介。

主人公:石浜文吾
3年間、自宅の壁に黙々と壁当てを続ける忍耐力がある。
一つの事に集中する才能はハンパない。
甲子園を目指すことをライバルの野田に誓う。

内野手:野田幸雄
U-12日本代表に選抜される天才スラッガー。
物語の主な設定チームとなる静央シニアで1年でチームの主軸。
文吾の姉、かをりの事が好き。

姉:かをり
文吾を可愛がっている姉。美人なお姉さん。

チーム紅一点女子選手:神谷マコト
ブンゴの教育係り。
真琴(マコト)は野球も上手いが顔はめちゃ可愛い。

野田監督
野田幸雄の父親であり、静央シニアチームの監督。
面白い事を優先する性格。

吉見投手
3年エース
精密機械のような制球力が持ち味。

その他、面白いメンバーが登場して
文吾の活躍をドキドキして読んでいる状況。

これからどうやって活躍するか予想しながら4巻以降を早く読みたい気分だ!




 

5
皆さんはヒョウタンってどんなイメージを持ってますか?

可愛らしい形とお酒や水を入れる器、さらに民芸品とかに置いてあるお土産品くらいでしょうか。
そんなイメージだったのが本書を読むとヒョウタンの奥深い歴史と多様性に驚かされます。

まずは歴史から観てみよう。
起源としては、おそらくアフリカあたりにあって、約1万年前。
そして、アメリカに渡り、日本には縄文時代の約9600年前頃伝わってます。

ではアフリカからアメリカにどうやって渡ってきたのか?
2つの説がある。
自然漂着説と人による導入説。
どちらの説もまだはっきりしたことは研究中らしい。

昔の人はヒョウタンをどんな道具として利用していたのか調べてみると、
パプアニューギニアの先住民ラニ族は一般的にはヒョウタンをペニスシース
(和製英語でペニスケース)に使う。
最近ではそのペニスシースは観光用に着けていて、普段は短パン姿でいる。

ちょっと沖縄に関係したヒョウタン話を探してみると。
沖縄ではヒョウタンの事を方言で「チブル」という。
頭の事も同じ言葉であるのを推測すると、頭に似た形がそういう言葉になった可能性がある。

もっと探してみると、石垣島ではヒョウタンの水運び容器があったり、
竹富島では、醤油差しに利用したり、ユウガオからヒョウタンの実ができるが、
そのユウガオの若い果実は現在沖縄の市場でしか流通していない。

ヒョウタンの利用方法は多岐にわたっている。
容器、食器、茶道具、喫煙具、石炭入れ、装身品、生活雑器、農具、
漁具、医療具、薬、仮面、楽器、美術品。

その中で気になるのは楽器である。
ヒョウタンは乾けば中が空洞になり、果皮は堅くしまり、響きがよい。
さらに内側にはスポンジ状のやわらかい繊維があり、雑音を吸収して、
楽器としては最適な部材なのである。

楽器にできる種類としては、マラカスや木琴のような体鳴楽器、
ギターやバイオリンのような弦楽器、
笛のような気鳴楽器、皮を張った膜鳴楽器に大別される。

特に面白いと思ったのは、
ヒョウタン製のマラカス。
中に小石やトウモロコシを入れて音を鳴らす。
3つ重なった、ダンゴ3兄弟のような3連マラカスが可愛らしい。

ヒョウタンの鼻笛も面白い。
演奏する際は左手で左の穴をふさぎ、右の鼻穴から吹く。
オカリナ状の楽器なのに、口で吹かずに鼻で吹くのは、ハワイの古いことわざによる。

「口はウソをつくが、鼻はウソをつかない」というらしい。
なるほどと納得する由来である。

最後になるが、
ヒョウタンの理想のプロポーションは
上からバスト5、
ウエスト3、
ヒップ7のサイズが最もバランスのとれた美しいヒョウタンだという。

そんなヒョウタンを是非、観てみたいと感じる面白本であった。


【内容情報】(「BOOK」データベースより)
ヒョウタンといえば、あのユーモラスな姿を思い出す。しかしその奥は深く、一万年以上さかのぼる最古の栽培植物の一つとして、人類の歴史と結びついている。命をつなぐ水の容器として海洋での移動に役立ち、楽器の原点でもあり、神話や象徴など精神的な側面も併せ持つ。広さと深さを兼ね備えたヒョウタン文化の実像を描く。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 ヒョウタンを求めて/第2章 ヒョウタンの実像/第3章 ヒョウタンの足取りをたどる/第4章 ヒョウタンで暮らすーさまざまなヒョウタン利用/第5章 楽器の原点/第6章 ヒョウタン芸術/第7章 ヒョウタンの神話とシンボル

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
湯浅浩史(ユアサヒロシ)
1940年神戸生まれ。1968年東京農業大学大学院博士課程修了。東京農業大学教授を経て、現在、一般財団法人進化生物学研究所理事長・所長。専攻は民族植物学、生き物文化誌、多肉植物(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)




 

2015年中国人が観光で来日した人数は過去最大、45万人。
そして爆買いにより消費した金額はなんと、1140億円。
すごい金額だ。

その爆買いで売れた物が本書のタイトルに影響している、温水洗浄便座だ。

本書は中国人が日本に対してどういう憧れを抱いて訪れているかを
具体的な事例を出して取材している好著。

本書では以下、3点が気になった。

一つ目は、中国人の海外旅行の際のビザ申請等の煩雑さだ。

日本人はビザを使ったことが無いという人が多いだろう。
そういう私もビザというものを使ったことが無い。

なぜだろうというと、日本という国の信用度が高いため、日本人=信用度高いってことで
ビザ免除が世界67か国ある。
一方、中国はほとんどの国で旅行の場合は短期滞在ビザが必要になる。

そのビザを取ったり、ツアー申し込みの続きが大変なのだ。
なんと、ツアー申請に預金口座残高が80万円以上無いとダメとか、
銀行通帳のコピーの添付して、さらに預金がギリギリだと、旅行出発から帰国まで
一時的に銀行口座を凍結されたという。
これは全ての例ではないと思うがすごいシステムだ。
それでも海外旅行に行く富裕層が多いのだ。

二つ目は、高齢化に伴う問題。

中国の人口は今、約13億人。
その中で65歳以上が約1億3700万人。日本の人口より多い。

中国では子どもが親の世話をするのは伝統的に当たり前とされてきた。
そのため、介護施設が不足しており、入居している老人も少ない。

では、どうしているかというと、老人どうしで公園で運動したりして
老人同志のコミュニケーションをとっている。

それでも、人は死んでいく。

葬儀の問題が出てくるが、病院で亡くなると、看護師からお化粧代として18万円が
請求されるという。死装束は家族が着せる。

中国では葬儀の際、悲しみを大勢の人にわざわざ見せないといけないので、
「泣き男」や「泣き女」を頼む。
わざわざ悲しみを見せるていう感覚が今ひとつ分からないが。。。。
墓地については、ロッカー式の小さいタイプがあり、360万円するらしい。

三つ目は、戸籍の問題。

これは聞いたことがあるが、田舎の農村戸籍と都会の都市戸籍の2種類がある。
かなり複雑な仕組みなので、簡単に説明する。
中国は日本のように引越して戸籍を気軽に移せない。
戸籍制度ができたのは、1958年、まだ歴史が浅い58年前の話。

北京市戸籍の種類としては、農村戸籍と都市戸籍があり、都市戸籍にはさらに2種類ある。
個人戸籍と団体戸籍(会社、学校関係)。
農村から出稼ぎに来るひとは、都会のサービスが受けられない。
特に子どもの就職、学校が都会で受けられないのだ。
そこで、どうやって都市戸籍を取るかというと、国営企業に勤めるか、
もしくは、個人戸籍を取るために、マンション(不動産)を購入するのだ。
だから、必死になって働くことで、皆が不動産購入に必死になる。

最後に中国にはこういう言葉がある。
「落葉生根」
この言葉の意味は、中国人は広い国土の中、農業のため、作物が採れるところを
求めて移動する流浪の民となるが、
その場(土地)に行った先では、しっかり根を下ろして生活することが習性となっていること。
だから、東京でも中国人が多くいる所は集中して集まり、皆で助け合って生きている所が多い。

本書では他にも身近な問題でマスコミでも取り上げていない内容が満載である。

今後、どういう方向に中国は向かっていこうとしているのか、
近くて遠い隣国の事に今後も眼が離せない。


【内容情報】(「BOOK」データベースより)
春節(中国の旧正月)にどっと押し寄せ「爆買い」パワーを見せつけた中国人。なかでも売れに売れたものが温水洗浄便座だ。なぜ彼らは日本製の高級便座に殺到し、買い求めていったのか?ここに中国人が日本にあこがれ、「本当は住みたい」とまで言う「秘密」が隠されている!

【目次】(「BOOK」データベースより)
プロローグ 日本のお土産、たくさん買ってきて!/第1章 日本は「暮らしGDP」世界一の大国/第2章 行列のできる中国パスポートの超不便/第3章 「一期一会」は通用しない中国人のコネ的日常/第4章 来世は日本人に生まれ変わりたい/第5章 「すきやばし次郎」は心の師匠/第6章 中国人の子育ては「孫のためなら海も越える」/第7章 病院の診察室のドアは、なぜか開けっぱなし

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
中島恵(ナカジマケイ)
1967年、山梨県生まれ。北京大学、香港中文大学に留学。新聞記者を経て、96年よりフリージャーナリスト。中国・香港・台湾・韓国など、主に東アジアのビジネス事情・社会事情等を新聞・雑誌、インターネット上に執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)




 

作者は「はじめに」でこのマンガをこういう風に説明している。

10年間、工場で勤めた経験からくる、ほぼ実話といえるエピソードばかり。
ほぼノンフィクションに近いフィクションマンガ。
町工場の男たちのリアルなドラマ。

登場する人物たちが本当に工場に存在した人に近いだろうなあと感じさせる。

主人公の原成 守(はらなりまもる)は作者だろうと想像できるが、
製造部にいながら新製品の開発も行うという熱い男。
口癖は「革命」。

その他、登場人物を紹介。

機械加工45年のベテラン、南部さん。
別名「1000分の1の違いが分かる男」。

課長。名前が出来いないが、「鉄人」と呼ばれている。

無口の後輩、北下。

工場のマドンナ(呼び方が古っ!)の雪内ちゃん。

エリート女子社員の小宮さん。

そんなメンバーで日々面白エピソードを面白く描いている、
技術系ガテンマンガ健在。

やっぱりこの作者は面白い。
まだまだ他の作品も読みたい。


【内容情報】(「BOOK」データベースより)
「シブすぎ技術に男泣き」の著者が自分自身の体験をもとに描いた、工場が舞台のフィクション作品。主人公は熱すぎるくらいの想いを持ち、不器用に仕事をする理工系ものづくりの技術者。日本の「町工場のリアル」がわかるコミック。



工場虫
見ル野 栄司
中経出版
2010-05-19

 




独裁国家と聞くと、普通考えるのは、ドイツのヒトラーや旧ソ連のスターリンのような
独裁者のやりたい放題になって国民は不幸で大変というイメージである。

しかし、この本に出てくる人々に共通するのは、
独裁国家でも普通に生活しているし、他の国を知らないほうがいい場合があるということ。

一つだけ、ラストに涙が少し出てきそうになったお話を紹介。

著者がベラルーシに旅をした時のエピソードがこの本で唯一幸せを感じた話だ。
電車の席で偶然隣の席になったベラルーシ美人の「ポリョ」との出会いが
この物語の始まり。
会話もはずみ、ポリョは初めて会う日本人に興味を示す。
著者のマサキもこんな美人の若い女性を旅が出来ることに満足していた。

ポリョの家族がベラルーシのミンスクに住んでいて、その町に帰るところらしい。

ミンスクの近くの駅に着いて、彼女に安宿を探してもらい、
翌日会う約束をした。

旧ソ連時代の名残がある町ミンスクを二人で観光して美味しい食事をした。
ビックリしたのは、お酒の安さ。
なんとビールが日本円で一杯50円。ウォッカも安く飲めた。
しかし、その反面酒癖が悪い人が多くてトラブルが多いらしい。

ベラルーシが本当に独裁国家なのか不思議だが、ネット制限があるのが不便なくらい。

さあ、また4日目も会いたいと彼女が言ったが、トランジットビザが明日で切れてしまう。
明日には国を出ないといけない。
だから明日でお別れなのが惜しまれる。
別れの場面は哀愁が漂い、涙がでそうになる。

こういう話がこの国(ベラルーシ)しかなくて、あとは非常に独裁国家ならではのエピソードだらけ。

トルクメニスタンでは、大統領がメロンが好きだから、メロン記念日を作って休日にしたり、

リビアでは、紙幣に描かれたカダフィ大佐の顔が真っ黒に塗りつぶされていたり、

北朝鮮では、偉大な人間「金正日」という逸話集に、わざわざこうアピールしている文章があった。
「金主席はいつものように多忙な日々を送っていた」って書く必要があるのか?。

サウジアラビアでは、イスラム教徒以外、国に入る事が制限されているとか。

などなど、本当にそうなんだろうかという場面もあるが、
本書は独裁国家の面白い一面を覗きたい人にオススメの本である。


【内容情報】(「BOOK」データベースより)
サウジアラビア、北朝鮮、シリア、ベラルーシ、コンゴ、リベリア、トルクメニスタン、ベネズエラ、ブータン…15の独裁国家に潜入。これぞ命がけの旅行記。世界204ヶ国を旅した著者だから書けた実録ルポ。

【目次】(「BOOK」データベースより)
法律は大統領の気分次第 トルクメニスタン/新しい国づくりにわきたつ民衆 リビア/鎖された独裁社会主義国家 北朝鮮/経済崩壊!紙幣が紙くずになった国 ジンバブエ/厳格なイスラムの教えで成り立つ国 サウジアラビア/賄賂と差別アウェーの洗礼を受ける日々 ベネズエラ/超アナログな社会主義国家 キューバ/ソ連時代を懐古しロシアを求める国民 ベラルーシ/規制と罰金で成功した独裁国家 シンガポール/今だけを生きるかつての資源大国 ナウル/賄賂を渡さなければ監獄行き コンゴ共和国・コンゴ民主共和国/“世界一幸福な国”は本当か? ブータン/世界で最も復興が難しい西アフリカの国 リベリア/穏やかな中東の国がデモによって一変 シリア

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
MASAKI

1981年7月29日生まれ。愛知出身で札幌大学卒。旅をしながら飯を食う方法を模索してヤフオクで現地で買い付けたものを転売するなどして稼ぎ、世界204ヶ国を回っている旅人。海外専門ツアコン、旅行ライター、雑貨アパレルバイヤー、モデル、旅行評論家などの活動を通してテレビ、ラジオなどメデイア出演多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)



沖縄県は平成18年に9月18日を「しまくとぅばの日」という記念日に制定した。
その日に決めた理由は「しま、く(9)とぅ(10)ば(8)」という語呂合わせである。
笑っていけない、県は真剣なのである。

今の沖縄の言葉使いの現状ではいずれ琉球語(しまくとぅば)が消えてしまうという
心配を本書を読むと良く分かる。

言葉の違いを知るために、
標準語と首里、那覇の母音の対応をみていこう。

標準語の母音は5母音(あ・い・う・え・お)
首里、那覇の母音は3母音(あ・い・う)である。

その変化の対比は
標準語あ=>首里語あ
標準語い・え=>首里語い
標準語う・お=>首里語う

その例として、中国から伝わった行事で4月に沖縄で行われるお墓での行事、
清明祭がある。
清明祭とは、墓前に親族が集まり、酒、お茶、お重を供えた後に皆でご馳走を頂く習慣。
その言葉が母音が変化した言葉になっている。

標準語「セイメイ」
琉球語「シーミー」
中国語「チンミン」
その変化の過程を説明する。
標準語のSeIMeIの「え」が「い」に変化して琉球語のSiMii(シーミー)に変化している。
たぶんその言葉の流れは
中国語=>本土日本語=>琉球語となったと想定させる。

次に口蓋化と破擦化で言葉が変化した部分。
標準語き=>琉球語ち
標準語た=>琉球語ちゃ

その例として、標準語きばれよ(気張れよ)=>チ(き)ばリ(れ)よ
標準語、きょう(今日)=>ちゅう
などである。

視点を変えて標準語と古語と首里(琉球語)の関係をみてみよう。

標準語(東風)
古語(こち)
首里(こち)

次の言葉は有名だが、母音変化と口蓋化、破擦化の複数が混じった言葉。
標準語(美しい)
古語(きよらし)
首里(ちゅらさん)
その変化の流れは、
KiYoRa=>KiYuRa=>(き=>ち)ちゅらに変化した。
言葉の変化は面白い。

この流れは、本土日本語=>琉球語となったと想定させる。

地名における琉球語の変化も観てみると、
有名な難読地名をに列挙すると、
波平(ハンジャ)、北谷(チャタン)、保栄茂(ビン)、具志頭(グシチャン)、
勢理客(ジッチャク)、喜屋武(キャン)、西武門(ニシンジョウ)、今帰仁(ナキジン)である。

ここまでの言葉の流れを観てくると、昔の日本本土と琉球は言葉が共通な点が
多いのでこういう考え方が昔からある。
日琉同祖論という。
この言葉の意味は、日本人と琉球人が起源を遡れば、民俗的に同一であるという
考え方である。

平安時代の源為朝が琉球へ逃れ、その子が初代琉球王舜天になったという説である。
かなり強引な説であるが、昔からある伝説になっている。

しまくとぅばを大切にするという現在の方向に逆らうように、
1900年から1960年頃に方言札が使われていたことは有名な話である。

方言札とは、方言を追放して、標準語を普及させる手段として、
主に学校で、方言を言った生徒に罰として掛けた札のこと。
その札をはずす為には、他の生徒が方言を使用したら、交代できるので、イジメとかも
行われていたこともあると想定できる。

最後に、現在の沖縄県では、しまくとぅばの普及の為に
9月18日にしまくとぅば大会(今年は4回目)を開催している。

役人からの提案(制度)で始まる試みは、昔の方言札に
似ているため、この制度によって無理が生じて、逆にしまくとぅばが失われてしまう可能性が
でているのではないか。

生活に根差したおばあとかが使う言葉が真の「うちなあぐち」であり
「しまくとぅば」ではないかと感じる。


【内容情報】(「BOOK」データベースより)
沖縄の言葉に、歴史あり。あなたの知らない琉球語の変遷を、従来とは違う視点で考えた、気鋭の言語学者による、しまくとぅば茶飲み話。

【目次】(「BOOK」データベースより)
保栄茂はなぜ「ビン」と読むのか(二つの同心円/最古の琉球語資料 ほか)/漢字と琉球語の世界(言語における固有の要素と外来の要素/現代琉球語における漢字の読み方 ほか)/外国から観た琉球語(琉球における書き言葉/漢文の素読と琉球王国の共通語 ほか)/琉球語の過去と現在、そして未来(方言札は琉球語を消滅させたのか/方言札をめぐる男女差 ほか)/授業とお稽古のあいだに(専門家の意見もいろいろ/広まる俗説 ほか)

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
石崎博志(イシザキヒロシ)
1970年石川県金沢市生まれ。東京都立大学人文科学研究科博士課程中退。復旦大学(中国)国費留学、国立高等研究院(´Ecole Pratique des Hautes ´Etudes,フランス)客員研究員。博士(文化交渉学 関西大学)。1997年より沖縄在住。琉球大学法文学部准教授。専門は中国語史、琉球語史。2012年第十六回窪徳忠琉中関係奨励賞、2013年第三五回沖縄文化協会賞(金城朝永賞)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)





 

関連文献で読みたい本。










 

82歳の現役当時。
女性タクシー運転手の草分け的存在の著者のイキイキタクシーおばさん奮闘記。

涙あり、苦笑いありの心温まる本です。

タクシードライバーの前職は車のセールスの時期があった時の話。
その時は母子家庭で小さな子供(2歳頃)を車に犬と一緒に
待たせていて、セールスをしていたら、
警察が捨て子では無いか?と周りを捜索していた。

慌てて戻り警察に謝りつつ次の営業先へ。。。
猛烈キャリアウーマンぶりがわかる。

少し面白いところでは旦那さんとの話。
旦那も同じタクシードライバーで共稼ぎ。
だから家事はお互いに分けてやろうという事に決まって、
その分け方の方法が面白い。

タクシーの一日の売り上げが少ないほうが家事全てを行うという事。
奥さんはタクシー会社でも一番の売り上げを出している。
もちろん旦那が家事を全てやった。

これは拾い物のダンナをもらったと喜んだというところが
著者の面白いところ。

現在の著者は89才でますますお元気だ。
全国を飛び回って講演を行っている。
元気に働くという点、見習うべきところ多し!




【内容情報】(「BOOK」データベースより)
小学校の教師を振り出しに県庁の職員、政治家の書生、銀座のOL、専業主婦、車のセールスマンとトラバーユした挙げ句にたどり着いたタクシードライバー。現役女性最長老が語るドライバー稼業30年。

【目次】(「BOOK」データベースより)
1 ご乗車ありがとうございます(タクシーおばさん奮戦す/若者、先生、蝶々さん/男と女の関には…/忘れられないお客様 ほか)/2 愛すべき仲間達(女性タクシードライバー/泣き笑い人生/ドライバー仲間の隠語/タクシーおばさんモノ申す ほか)/3 ちょっとがむしゃら人生(おぎんちゃん/東京へ/初恋、結婚、そして離婚/子連れセールス大繁昌/タクシードライバーへ ほか)





 

青線とは、日本で売春防止法施行以前に非合法で売春が行われていた地域の俗称。
それに対して、赤線とは戦前の一時期売春が認められていた地域である。

戦後、新宿歌舞伎町や花園町(現在の三光町一部)の一角に、
外地からの引き揚げ者が2階建ての木造小屋を建て、
1階は飲み屋、2階は女がサービスする場所といった形態で商売を始める。

都内にも6カ所くらい、青線地帯が出来た。

本書は2001年から日本各地に点在する青線を歩き始め、北は北海道の札幌から
南は沖縄の真栄原まで、有名な場所から無名な場所まで隈なく歩いた。

売春は人類にとって最古の職業という言葉から切っても切れない関係がある。
特に戦争という修羅場を潜り抜け、明日の食事もままならない時に
手っ取りばやくお金も掛からない「売春」が女の収入源になることが本書でよくわかる。

現在の近隣諸国との問題である「従軍慰安婦問題」も売春という行為の結果であるが
著者はこういう意見を書いている。

日本軍が大東亜戦争時、アジア各地において慰安所の作ることができたのは、
公娼制度(娼婦のうち公に営業を許された娼婦を認める制度)という下地が
あったからだ。

慰安婦制度は軍部の許可なく慰安所を設置できなかったことからも、
軍部が関わっていたことは明白であるが、強制的に連行したとする韓国政府や
中国政府との見解に著者は意を唱えている。

非常に難しい問題だが、もう少し書いておく。

日本軍がアジア各地に慰安所を設置した理由は、
軍人が無秩序に現地の売春施設に入り浸って、性病に感染し
部隊の戦闘力を削がないためと、日本軍兵士が現地の女性たちに
危害を加えないために設置したものであった。
色々な意見がある部分ではある。

本書で最後に興味ぶかく読めたところは、
江戸時代の岡場所の出来た経緯である。
岡場所とは、江戸時代に公許の吉原以外の各地に散在した私娼地のこと。
江戸の人口が増えていくと、町はずれにある吉原だけでは、江戸の男たちの
性欲を捌き切れない。

そこで、社寺仏閣の周りを中心に幕府の目を盗んで、春を売る岡場所が
いたる所に出来始めた。
有名なところでは、深川八幡宮の周辺、上野、護国寺、根津神社、芝増上寺、
亀戸などであるが、どれも有名な寺社のまわりである。
寺社の参拝客を見込んでできた他、寺社を管理するのは寺社奉行の権限で
私娼の取締に当たった町奉行の権限が及ばないため岡場所が
出来たとする説がある。

著者はまだ取材できてない場所は有り、旅半ばということで、
これからの取材結果も踏まえた、続編も期待したいところだ。



【内容情報】(「BOOK」データベースより)
日本には消された風景があった!青線エリアの“果て”をたどった、記録的な一冊。かつて各地に存在し、非合法の売春が行われていた場所・青線。“性”の残り香を求め、10年以上かけて現場を歩いた著者が、日本の裏面史を描き出す!

【目次】(「BOOK」データベースより)
大都会の日陰谷底から見える東京の歩みー東京/パンパンの街へと変貌した農村地帯ー山形県神町/女は罪と業を背負い十五年の逃亡を続けたー福田和子/水運と売春さびれた生業と島の過去ー渡鹿野島・京都/日本文化の根っこにある被差別と売春ー大阪/江戸から明治へ消えゆく娼窟文化と生きた女ー阿部定と江戸~東京/タイスナックと飯盛女ー佐久・木崎・新潟/時代に溶けゆく北の性産業ー札幌・函館/青線の忘れ形見を老婆に見たー北九州/戦後の原風景を感じる南国の色街ー沖縄/売春シルクロードが伝える産業と女の近代史ー埼玉・群馬・横浜

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
八木澤高明(ヤギサワタカアキ)
1972年神奈川県生まれ。写真週刊誌『フライデー』カメラマンを経て、2004年よりフリーランス。『マオキッズー毛沢東のこどもたちを巡る旅』(小学館)で2012年、第19回小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)




 
青線 売春の記憶を刻む旅
八木澤 高明
スコラマガジン
2015-10-23

これから読む予定の本がある。
「左官 挟土秀平の生きる力」だ。

その人が今、偶然観たテレビに出演している。
NHKのプロフェッショナル、仕事の流儀、トークスペシャルに
岡本隆史とトークをして、面白い事を語っている。
さらに本を読むのが楽しみになってきた。

岡本が挟土にこう質問したのが頭に残っている。
(ちょっと言葉が違うかもしれないけど。。。)

岡本:挟土さん、もし左官を引退するとしたら、どんな時に考えますか?

挟土:自分の過去の実績をパクって、作品を作り、安心した自分がいたら、引退を考える。

そうか、常に新しい事をする職人はパクルことはだめだが、それが自分が作った物でも
ダメと言い切れる人がスゴイ職人だろうなあ。

そして、いつも作業をしている時は臆病になるのも大切と言う。
いい作品を作り続けるモチベーションは「臆病」になる事って普通は感じないだろうなあ。

さて、職人技の面白い本を読むのが楽しみになってきた。





 

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