沖縄面白本棚

日々の活字チュウ毒生活の本から これは面白い本!を紹介します。 このブログで紹介するジャンルは、ノンフィクションを中心にあまり有名ではないが、読むと面白い本です。もちろん沖縄本も紹介しますね。

2016年08月

ある日コンビニで、こういう事があった。

レジに持って行ったおにぎりをバーコード読み取る時に、
「ピー」という音が出た。

あれ?、金属が入っていた?

ではなくて、

販売期限が過ぎていたのを、店員が忘れたらしい。

「お客さま、すみません、別の商品に替えてきますので、少々お待ちください。」

この販売期限がコンビニ経営に痛手になっていることを、その時は知らなかったが、
本書を読むとよく分かる。

コンビニ独特の販売期限というルールがある。
例えば、賞味期限が30日の商品があると、30×1/3=10日なので、
あと、10日で賞味期限という時点が販売期限。
これを、「3分の1ルール」というらしい。

この方式は、食の安全を考えてのことだろうが、店長にとっては大変。
1日に出る食品関連の破棄する量は、15kgもある。
その破棄を少なくするために、店長が考えて工夫するのは、
販売期限に近くなるに従って、値段を下げていく、タイムセールみたいなもの。
しかし、本部があまり良い顔をしないらしいので、実際にやっている店はあまり見ない。

他に、気になった点は、コンビニ独自の会計方式。
通常の会計計算式では、
粗利=売上高ー売上原価になるが、
コンビニ会計では、
みかけ上の粗利=売上高ー純売上原価。
純売上原価には、廃棄ロスは含まれず、ロスは店長側の営業経費であると。

オーナーがコンビニ本部に払うロイヤリティーの計算のベースが
見かけ上の粗利になる。
そうすると、廃棄ロスが入ってない分、粗利は高くなるので、
払うロイヤリティーも高くなって経営は苦しくなるという流れ。

本書では、他に美人店員の話とか、面白いお客の話とか
コンビニは世の中の人間模様を知るためには勉強になる場所かもしれない。

ぜひ、この著者がいるコンビニに
「NHK・ドキュメント72時間」で3日間張り付いて放送して欲しい。
面白い人間模様が見えて、涙が出てくるだろう。


【内容情報】(「BOOK」データベースより)
日本全国に5万店以上あり、原則24時間、365日営業で飲食料品はもちろん、各種サービスも豊富で、コンビニは今や我々にとって欠かせない存在となっている。ただ、その分、従業員への負担は増える。ひときわツライ立場にいるのが店長(オーナー)だ。当然、残業代なんていうものは出ない。食卓に廃棄弁当が並べられるのは当たり前。恵方巻きなどのキャンペーン商品でノルマ未達だと自腹購入もする。そして、トンデモ客に翻弄される姿には哀愁が漂う。そんなコンビニ店長の奮闘記。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 新春から店長は七転八倒(元日~3月)(年明け最初のお買い上げは194円也/悩ましい雑誌の立ち読み問題 ほか)/第2章 年度初めも波瀾万丈(4月~6月)(コンビニの売上は「立地」で決まる/出店前の研修は軍隊式 ほか)/第3章 真夏の黒い事件簿(7月~9月)(お中元の予約受注に四苦八苦/深夜働く主婦に情が移る ほか)/第4章 冬に向かって撃て!(10月~12月)(お祭りは稼ぎ時/「貸せ貸せ星人」が来襲する ほか)

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
三宮貞雄(サンノミヤサダオ)
中核都市の郊外でコンビニ店を営むオーナー店長。大学の経済学部を卒業後、いったんはメーカーに就職するも、会社の早期退職制度を利用して退職。ある大手コンビニチェーンのフランチャイズ店の店長として働いている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)



 

自称『仏教原理主義者』という著者の本は数冊読んだことがある。
とてもユニークでわかりやすい印象。

本書も分かりやすく、かつユニークに「旅」について書いている。

1章は、旅について書物からの意味を説いている。

2章は、江戸時代の書物で「旅行用心集」を紹介して、
江戸時代の旅の様子とか、面白い話を紹介、

3章は、旅の楽しみ方について、ユニークに紹介。

さて、本書を読むまで旅の起源なんてことを考えたことが無かった。
著者はこう考えた。
旅には二種類あるらしい。
ひとつは、「どうしてもしなくてはならない旅」と
「無理にする必要のない旅」。

どうしても旅は、昔の生活で必要な狩りとか、遠くに行かなくてはいけなかった。

いっぽう、無理しない旅は、ごく最近のこと。

その旅にも、2種類ある。
①無理にする必要のない旅を必要のないままにする旅
この意味は、現在の皆さんの贅沢な旅。
行く必要がない旅で、何も目的がない旅。
一番気軽でいいなあ。

②無理にする必要のない旅を口実つけて行う旅
これは、昔の人は生活している土地から離れるということは、
命を落とすことにもなる位の冒険。
それで、口実が必要なる。
それが、宗教の巡礼だったという。

今も残る、伊勢参りや、熊野参拝、そして、四国の八十八箇所霊場の遍路など。

次に旅の語源を説いている。
他で日を送るから、他日(たび)とか、
夕べ(給べ)で、他人に食をもとめるのは原義だとか。
色々な説が有るみたいです。

他にも色々、面白い話が多い。



【内容情報】(「BOOK」データベースより)
何事も、疲れる前に休むのがうまくいく秘訣です。旅を楽しくする方法ひろ流ユーモアもたっぷり。

【目次】(「BOOK」データベースより)
1(旅は、既成概念を捨てるためにするのです/力まず、気軽に旅に出ましょう/なぜかみな、「花の名前」を知りたがります ほか)/2(『旅行用心集』1~10 疲れないようにするために休むのです/チップの本来の意味“ノブレッス・オブリージュ”とは?/『旅行用心集』11~20 気に入らないことも楽しみなのです ほか)/3(旅先の買い物には値切る楽しみがあります/買い物の楽しみとは、商店主と楽しい時間を過ごすことです/十年かけて織った絨緞には「買い方」があります ほか)

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
ひろさちや(ヒロサチヤ)
1936年、大阪生まれ。東京大学文学部インド哲学科を卒業後、同大学院博士課程を修了。気象学校で20年間教壇に立つ。仏教を中心に宗教をわかりやすく説き、若者から老人まで多くのファンを獲得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


旅巧者は、人生巧者 (ヴィレッジブックス新書)
ひろ さちや
ヴィレッジブックス
2008-08-30

 

次回のブクブク交換のテーマが『旅』、『初恋』に決まった。

今、旅本の読みたい本のリストに沢山の本がある。

例えば、今通勤本で読んでいる本。
ひろさちやの「旅巧者は、人生巧者」

この方、宗教のことを分かりやすく解説してくれるし、
面白い考え方の作家で、発想が好きな作家。
旅について、考える時に面白い本。

他に、角幡唯介の「旅の表現術」

冒険家は山を登って後に、本にするかを後でオマケに考えるが、
角幡氏は登る前に本でどうやって書こうかを決めて登る。
果たして、本当の冒険家なのだろうか?と
表現者としての意見が面白い本。

他にもっと、いろいろ旅本が出てきて、
10月のブクブクが楽しみ。

しかし、初恋本が思い浮かばないのがオヤジの悩みだなあ。
 

著者がこれまでの人生の中で交友のあった、作者22名の本を面白解説本。

特に笑ったのは、木村弁護士の本の時に語ったエピソード。

キム弁の娘が小学校の時にアンケートに答えた実話。

あなたの家庭では、毎日家族そろって夕ご飯を食べますか?というアンケートに
娘は、ハイと答えた。

後日、母親が、なんで嘘をつくの。
お父さんはいつも夜帰るのが遅くて、一緒に夕ご飯たべてないでしょ?

と娘に言うと。

娘一言。

え?お父さんって家族なの?

これには、笑ってしまった。ハハハ。。

有名な木村弁護士は弁護士的視点でミステリーの書評を書いている。
それも、ケンカをふっかける書評。
たぶん書名は書いてなかったが「キムラ弁護士、小説と闘う」だと思う。
今度読みたい本のリストに入れた。

その他、楽しい交友関係が多い著者の人生を楽しむ術が満載の一冊。



【目次】(「BOOK」データベースより)
前篇 この人の本を読む喜び(南伸坊は『健康の味』を発見した(南伸坊)/私の『1Q84』(村上春樹)/クマさんの『走れUMI』(篠原勝之)/キム弁の書評はこわいぞ(木村晋介)/トッカピン氏の浦安物語(山口瞳) ほか)/後篇 『青の時代』から『野蛮な読書』まで(『青の時代』(安西水丸)/ななな、リンボウ先生には、ちとおどろいた(林望)/リンボウ先生は貯金三万四千円だけおろす(林望)/山口瞳は古くてコワいぞ(山口瞳)/文壇いろはにほへと武芸帳(大村彦次郎) ほか)

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
嵐山光三郎(アラシヤマコウザブロウ)
1942年東京生まれ。「素人庖丁記」により講談社エッセイ賞受賞。『芭蕉の誘惑』によりJTB紀行文学大賞受賞。『悪党芭蕉』で泉鏡花文芸賞、読売文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)




 

本書は本日15時から開催する、「ブクブク交換@ますく堂」の交換本である。

今から39年前に出会った本書は思い出深い冒険小説の最高傑作。

まだ、海外の本を読んだことのなかった、中学2年生のころ。
当時は、横溝正史の金田一耕助シリーズにはまっていて、オッカナイ本に飢えていた。
しかし、海外物には、手が出なくて何が面白いのか分からない。

その時、偶然親類の兄貴のような高校生から貰った本が『ターザン』だった。

これが冒険小説か。
なんて世界が広いんだろう。

当時、中学2年生だった私は衝撃を受けた。
(本日は其処らへんの実況中継からお話します)

ストーリーは簡単ですが、読む方の為に割愛して、
ターザンの「知的好奇心」について、お話したい。

ターザンの父親、イギリスの貴族、グレイストーク卿ジョン・クレイトン氏と母、アリスは
アフリカ大陸に2人置き去りになった。
その時に、最初の予定では、ある任務で長期間住む予定だったため、
妻のお腹にいるこれから、生まれてくる「ターザン」のために絵本を沢山もってきた。
絵本とか入門書とか沢山あった。
2人が亡くなった時に、類猿人がやってきて、父親を殺したあと、小さな「ターザン」を
連れていき、育て始めた。
そこからターザンの野生児としての強い男に成長していく話が出てくる。

たぶん映画もそういったシーンで皆覚えているだろうが、
本書の面白い所は、ターザンの「知的好奇心」の強さだ。

両親が襲われた小屋に興味を示した、ターザンは、父親の日記と
絵本、入門書に非常に大きな興味を示した。
そして、地道に、英語の暗号めいたものを絵本と比べて、解明していった。
なんと、英語の文字をマスターしてしまう。

その後の展開としては、読んでの御楽しみ。
言葉をしゃべることができなかった、ターザンがしゃべる事ができる話がでてくるが、
これも好奇心のなせる業。

強い男だけではなく、知的なターザンの恋は果たしてどうなるのか?


類猿人ターザン (ハヤカワ文庫 SF ハ 10-1 TARZAN BOOKS)
エドガー・ライス・バロウズ
早川書房
1971-08

 

1級建築士で空間デザインが得意な田村氏と、
沖縄出身でゲームクリエイターの上原氏が共著で描く新宿駅迷路攻略面白本。

新宿の迷路を如何に攻略するかを、わかりやすく、かつ、建築士らしく
絵を多用してイメージできるようにして描き、
さらに、ゲームクリエイターの想像力をもって、ドキドキ感あふれる
ストーリーで新宿攻略を書いている。

本書を持って、新宿駅を歩けば、多分迷わないだろう。イヤ多少方向音痴は迷うかも。

ワタクシごとであるが、
新宿駅に行くと、まず、スタジオアルタ(東口)はどこか?とか
紀伊国屋書店はどう行けばいいかを考えてしまうが、
この本では、もっと大きな目線で新宿駅(10駅もある)を捉えている。

是非、新宿駅で迷う方は、読む価値はある。

【内容情報】(出版社より)
リニューアル工事が2016年3月に完成する「ギネス世界一の乗降客数」をほこる新宿駅の謎を、
駅研究の第一人者である田村圭介准教授と、気鋭のゲームクリエイター上原大介が解く! 


地上2階、地下7階の新宿駅はどのようにして、平均乗降客数364万人/日をさばいているのか。

謎1)新宿駅はギネス世界一の乗降者数をどうさばいているのか?
謎2)なぜ新宿には、駅名に「新宿」とつく駅が10もあるのか
謎3)新宿駅の谷間に存在する7つの抜け道の秘密
謎4)新宿駅と内藤新宿、新宿花街ができた理由
謎5)新宿駅はなぜサクラダ・ファミリアより長く工事が続いているのか
謎6)改札の中に改札があるわけ
謎7)ル・コルビュジェ唯一の日本人弟子が新宿駅周辺をつくっている
謎8)新宿駅を使う364万人とはどういう人か?
謎9)新宿駅が日本最大のアトラクション(ダンジョン)である理由 

第1章 なぜ人は新宿駅で迷うのか
第2章 新宿に「新宿」とつく駅が10もあるわけ
第3章 新宿を解く三つの暗号
第4章 新宿駅の東西を繋ぐ七つの抜け道
第5章 新宿駅を行き交う364万人とはどういう人か?
第6章 西口地下迷宮の謎
第7章 新宿駅の工事はなぜサグラダ・ファミリアより長いのか
第8章 新宿駅の未来

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
新宿には「新宿」と名のつく駅が10もあり、日々、364万人もの人をさばいている。364万人というのは、たとえばドイツの首都、ベルリンの人口に匹敵する。新宿駅は交通結束点として、どのようにしてこれだけ多くの人を、大きな事故もなく毎日さばいているのだろうか。この謎にターミナル駅に詳しい話題の大学准教授と、50万ダウンロードの大ヒットRPGスマホアプリ「新宿ダンジョン」の開発者が迫る。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 なぜ人は新宿駅で迷うのか/第2章 新宿に「新宿」とつく駅が10もあるわけ/第3章 新宿を解く三つの暗号/第4章 新宿駅の東西を繋ぐ七つの抜け道/第5章 新宿駅を行き交う364万人とはどういう人か?/第6章 西口地下迷宮の謎/第7章 新宿駅の工事はなぜサグラダ・ファミリアより長いのか/第8章 新宿駅の未来

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
田村圭介(タムラケイスケ)
一級建築士。昭和女子大学生活科学部環境デザイン学科准教授。1970年東京生まれ。95年早稲田大学大学院理工学研究科建設工学(建築)修了。98年ベルラーヘ・インスティチュート・アムステルダム修了。98~99年UN Studio勤務。99~2002年FOAジャパン勤務時に横浜港大さん橋国際客船ターミナル(02年)の設計・監理を担当した

上原大介(ウエハラダイスケ)
沖縄で活動しているゲームクリエイター。大学を卒業後、機械組込系の開発会社に数年勤務した後、ゲームを制作するために独立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)



 

シーナ隊長を先頭に野郎ども、総勢30名の大所帯で、台湾に宴会冒険に挑む?
ハチャメチャ面白旅本。

毎回、あやしい探検隊には、「ドレイ」という若いメンバーが居て
今回も29歳の新人ドレイが参加して、色々とエピソードが面白い。

台湾とニワトリって何か意味が有るのだろうか?と疑問に思ったら、
全然理由がなくて、たまたま行った宿に居て、暇だから野郎たちが
遊び相手にニワトリと戯れるのが本の題名になってしまう。

いやはや、シーナワールド炸裂の面白本。

内容は下記で想像してねえ。


【内容情報】(出版社より)
ビールだマグロだ宴会だ! 過去最大の怪しいメンバーが台湾東南の田舎町に集結。ニワトリに包囲された一軒家で目的のない大集団合宿を敢行する。謎のうどんと格闘し、離島でマグロを狙い、小学生に真剣野球勝負を挑み、即席楽団が町を練り歩く。ひらひらやふにゃへらを相手にシーナ隊長はどう立ち向かうのか? 抱腹絶倒暴飲無駄酔的満腹御礼の完全カキオロシ三部作ファイナル! 
本編に加えて、著者自ら撮影した写真グラビア(カラー8頁)や、シーナ隊長や隊員が「あやしい探検隊」を振り返る座談会を巻末に収録。さらに盟友・沢野ひとしによるイラスト、四コマ漫画を豊富に散りばめたファン必携の一冊。

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
完全カキオロシ三部作ファイナル!過去最大の怪しいメンバーが台湾南東の田舎町に集結!謎のうどんと格闘し小学生と真剣野球勝負する。よーし、ビールだマグロだ宴会だ!知られざる台湾の裏側へ乱入!目的のない大集団合宿、最新刊にして完結編!

【目次】(「BOOK」データベースより)
わしらのいくとこ何処ですか/信用できない台湾うどん/おれたちを待っていたような合宿所/南海マグロ・カツオ作戦/だから確かに怪しい集団/目的のわからない大宴会/爆飲的無駄酔的下呂吐中心/アミ族少年団との激闘/あやたん軽音楽部、町を行く/さらばニワトリたちよ、コウモリ君よ元気でな/特別座談会 朝までまだ飲むぞ

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
椎名誠(シイナマコト)
1944年、東京都生まれ。作家。「本の雑誌」初代編集長。写真家、映画監督としても活躍。『犬の系譜』で吉川英治文学新人賞、『アド・バード』で日本SF大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)




あやしい探検隊 台湾ニワトリ島乱入
椎名 誠
KADOKAWA/角川書店
2016-03-31

 

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